回復期リハビリテーション病棟とは
皆さんが大きな病気や怪我をすると多くは急性期病院で治療を受けることになります。「急性期」は経過が早く、患者さんの身体的負担が大きいことから治療を優先して行います。治療を受けて病状が安定し、リハビリなどで機能の回復を目指す時期を「回復期」といいます。
回復期リハビリテーション病棟とは、前述の「回復期」にある脳血管疾患、大腿骨頚部骨折後などの患者さんに対して、日常生活動作（ADL）の向上により寝たきりを防止し、家庭復帰を目指した集中的なリハビリテーションを提供する病棟です。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、管理栄養士など多職種が共同して患者さんにあったプログラムを作成し、実生活での自立を目指したリハビリテーションを提供します。退院時には必要に応じてリハビリスタッフが患者さんの自宅へ訪問し、住宅改修や福祉用具選定のアドバイス、家族へ介護指導を行います。
当院の回復期リハビリテーション病棟では、1日最大3時間、土日・祝祭日を含めて365日体制でリハビリテーションを提供します。また、病棟での生活においても患者さんの能力を最大限に引き出せるよう、患者さんができることは患者さん自身で行えるよう支援します。
| 対象となる疾患 | 入院期間 |
|---|---|
| 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷の発症後または手術後の状態、義肢装着訓練を要する状態 | 150日以内 |
| 高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷、頭部外傷を含む多部位外傷の発症後または手術後の状態 | 180日以内 |
| 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折、または2肢以上の多発骨折の発症後または手術後の状態 | 90日以内 |
| 外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており手術後または発症後の状態 | 90日以内 |
| 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷後の状態 | 60日以内 |
| 股関節または膝関節の置換手術の状態 | 90日以内 |
当院での対象病棟の選び方
原則として、上表の疾患をお持ちの患者さんは回復期リハビリテーション病棟へ入院となります。病状や経過によっては、患者さんにより適した他の病棟をご案内することもあります。
退院後の生活に向けての支援について
- 医療・介護サービスの案内や外部機関と連携し在宅復帰を支援します（ケアマネジャーとの調整など）。
- 入院後1週間以内に自宅や施設へ伺い生活動作や環境を確認し、10日前後には面談を行い退院時の目標を設定します。目標はリハビリを進める中で毎月見直し、実際に必要な動作の訓練を実施します。
